2006年度事業報告

2006年6月26日に開催された2007年度総会で承認された2006年度事業報告です。

1.主な事業

【会議】
理事会 12回開催
広報委員会 10回開催
社会環境部会 12回開催
自然環境部会 12回開催
企画委員会 5回開催
かわごえ環境フォーラム実行委員会 8回開催

2.総括
 2004年度から掲げている『かわごえの環境の環(わ)を「太く」「大きく」「さらにつなげる」』というテーマにしたがって、専門委員会活動のさらなる推進とともに、会員の拡大及び会員内外の交流を目的とした活動を行った。

(1)「太く」について:社会環境部会と自然環境部会をはじめとする専門委員会活動については、テーマを絞り込んだ上で、それぞれの活動について勉強会や見学会、観察会を行い、参加者の専門的知識を深めるとともに、公開イベントの開催によって新たな人材の確保に努めた。また、自然環境の保全活動やまち美化活動など、環境活動の実践を行うことで、地域における環境保全への貢献を果たした。
(2)「大きく」について:2006年度は新たに、組織全体の企画機能を担う「企画委員会」を発足させ、本会が行うべき活動について中長期的、かつ分野横断的な観点から検討を行い、2007年度より具体的な活動に結びつけるための企画を選定した。また、「(仮称)かわごえアジェンダ21検討委員会」を発足させ、2007年度に行われる川越市との協働による行動計画の策定に向けてのたたき台となる資料を作成した。
(3)「さらにつなげる」について:11月に「会員通信」と「メールニュース」を統合して、広報誌「月刊 かわごえ環境ネット」を発刊して月刊化を図り、本会及び会員団体の活動報告とイベント等の情報について積極的な発信に努めた。また、公開イベントや広報誌において入会を積極的に呼びかけて、会員の増加に努めた。一方、かわごえ環境フォーラムをはじめとする主催行事や関連団体が主催する行事等への参加の呼びかけにより、個人間、団体間の交流の活性化に努めた。

3.全体事業
 全体事業としての活動を、2006年度の事業計画に沿った形で報告する。

(1)(仮称)第二次川越市環境基本計画の策定に対応して、将来世代にわたり地球全体および川越市が持続的に発展していくためのビジョンと、川越市における市民・事業者・民間団体の各主体が取り組むべき具体的な行動指針となる『(仮称)かわごえアジェンダ21』の策定に向けて、7月に(仮称)かわごえアジェンダ21検討委員会を発足させ、委員会に参加した会員を委員とする形で、全体構成と具体的な内容についての議論を行い、行動提案表と全体構成をまとめた。これらをまとめるにあたって、会員に対するアンケートや意見募集を行い、活動の周知と幅広い意見の収集に努めた。
(2)2月24日に第5回かわごえ環境フォーラムを開催するとともに、『かわごえ環境活動報告集』を発行した。環境活動報告会では、初めてポスターセッション方式を採用し、参加者が一堂に会する中で発表会を行うことができた。また、『水のまち川越の復活をめざして』と題したシンポジウムを、講師として倉宗司氏及び小泉功氏を、コメンテーターとして川村ヒサオ氏を招いて行った。
(3)民間団体が主催する次の事業への参画、協賛、参加を行った。
1. 6月に行われた荒川流域ネットワークが主催する「荒川流域一斉水質調査」と新河岸川水系水環境連絡会が主催する「身近な川の一斉調査」については、専門委員会の参加者が中心となって川越市内22か所における河川の水質を測定し、データを主催者に提出した。
2. 6月と12月には、埼玉県と特定非営利活動法人環境ネットワーク埼玉が主催する「エコライフDAY 2006埼玉」に参加し、会員にチェックシートを送付するとともに、回収したデータを解析して主催者に提出した。参加者は6月が468名、12月が310名であった。
3. 10月1日に行われた「アースデイ・イン・川越2006」を後援し、主催者であるアースデイ・イン・川越2006実行委員会に参画して企画運営を行うとともに出展を行った。
4. 11月18日に行われた北公民館かんきょう祭り実行委員会が主催する「第6回 北公民館かんきょう祭り」を協賛し、会員内外に周知を図るとともに、出展を行った。
(4)環境コミュニケーションについては、パイオニア株式会社が11月8日に開催した
「環境コミュニケーション」に、理事会と各専門委員会参加者から選出した会員の代表が参加した。
(5)環境パートナーシップ組織の連携として、11月5日につるがしま環境ネットワークが主催した「第4回 環境シンポジウム」において、理事長があいさつを行うとともに出展を行った。
(6)理事会において、2010年に予定されている本会の設立10周年記念事業に向けての検討を始めた。具体的な事業の決定に向け、次年度に議論を継続していくことになった。

4.広報委員会
 7年目に入ったかわごえ環境ネットの活性化と、対外的な情報発信の重要性を認識した広報活動の刷新を図り具体化を進めた。

(1)3か月ごとの会員通信と毎月のメールニュースの情報重複の無駄を省きながら、情報の速報性に応えるために、会員通信を「月刊かわごえ環境ネット」と改め、11月から毎月発行に切り替えた。専門委員会の活動予定や報告の情報発信が以前より改善され、かわごえ環境ネットの活性化に寄与した。また、市内の公民館に5〜10部、市内小中学校の環境担当に1部、それぞれ送付し、環境教育の啓発に努めた。
(2)インターネットの情報発信の重要性をふまえ、ホームページの更なる充実を図りつつ、ブログも開設したが、メンテナンスを担当するIT熟練のスタッフ不足で、希望通りの効果を上げられなかった。
(3)かわごえ環境ネットの組織と役割をまとめた入会パンフレットの作成はできなかったが、月刊かわごえ環境ネットでのPRなどで、入会者の増加に寄与した。

5.社会環境部会
 幅広い環境の課題に対応している社会環境部会では、2006年度から実践行動を主眼において課題を整理し、地球温暖化対策の省エネグループ、ごみ減量、特に生ごみの堆肥化促進グループ、ポイ捨て・歩きたばこの禁止の啓発を盛り込んだまち美化グループの3つに絞り込み、法令研修やリスクコミュニケーション研修等は、必要に応じて対応することにした。2月に開かれた第5回かわごえ環境フォーラムには、社会環境部会から7件の報告を提出し、当日のポスターセッションにも5グループが参加した。また、例年協力しているアースデイ・イン・川越2006や、北公民館かんきょう祭りの実施にあたり、協力団体としてイベントを盛り上げてきた。

(1)地球温暖化防止 1.県のエコライフ事業への協力。川越市内の参加者は夏・冬合わせて11,339名、CO2換算の削減量は9,333,868gとなり、県内ベスト9に入った。2.本会作成の「環境家計簿」の普及啓発を図った。3.川崎市の浄水場と配水池の高低差を利用したマイクロ水力発電施設の見学や、さいたま市での環境フェアに電圧制御器の使用データの発表等を行った。
(2)ごみ減量 生ごみ堆肥化の促進を進めるグループでは毎月1回の情報交換の会議を開催したほか、第14回生ごみリサイクル交流会への参加、狭山市などの実施状況の視察等を企画し、環境業務課との意見交換も行った。
(3)川越市の「路上喫煙防止条例」制定の市長発言を受けて、先進自治体の千代田区と新宿区の条例制定による事業面、財政面の対応を環境推進員の有志らも参加して視察した。グループの毎月のまち美化行動、川越まつりの市内清掃とともに、年末の本会主催のまち美化行動には会員以外の人も参加して広がりを見せた。

6.自然環境部会
(1)2005年度に引き続き、1.残された平地林の保全2.水辺自然環境の保全と再生の2本柱をもとに幅広くテーマ展開した。一部には進捗が停滞したテーマがあるものの、ほぼ計画通りテーマを消化することができた。特に今年度は、多自然護岸化活動が3か所の水路で実現して行政との協働が深まったこと、ホタルの勉強会を機に新会員の方が増えて、多自然護岸湧水路で地域の方々とホタルの里づくりに向けて動きだそうとしていることも大きな成果である。また、雨水浸透対策などによる湧水復活活動が、かわごえ環境フォーラムでより身近な事例で論議され、川越では今後どのように展開したらよいのかを学ぶことができた。
(2)具体的な活動は次の通りである。
1.「(仮称)川越市森林公園計画地」では昆虫、植物、キノコなどの自然観察会を4回開催した。
2.「仙波河岸史跡公園自然観察会及び保全活動」では野鳥、植物、昆虫などの自然観察会と外来植物の駆除、池の水質浄化、水質調査などの保全活動を4回開催した。また、ミドリシジミの観察会を1回開催したが、今回も生息の確認ができなかった。
3.「赤塚植物園と万葉・薬用園の見学会」は、都会の中の植物公園として見学し、仙波河岸史跡公園の保全活動のよき参考にすることができた。
4.「湧水探訪会」は、笠幡地区の小畔川の湧水を訪れたが、その目玉は第一期、多自然護岸工事が完成した(仮)霞湧水堀であった。
5.「絶滅危惧種・ムサシトミヨの保護活動」は、熊谷市の元荒川だけに生き残っているこの希少魚を環境悪化による絶滅から救うために、昭和20年代まで生息していた川越の菅間緑地が移植地に選ばれた。自然環境部会では、埼玉県と川越市へ積極的に働きかけるとともに、菅間緑地の生き物調査、池のアカウキクサの駆除活動、水質調査、テスト放流の飼育箱の設置まで終了した。
6.「湧水の保全と復活活動」は、雨水浸透と湧水復活の講演会をかわごえ環境フォーラムのテーマに格上げして、小金井市での市民、行政、業者が協働して雨水浸透ますの普及活動により、湧水が復活した実践論を拝聴した。川越での展開へのステップとなった。
7.「湧水路の多自然護岸化活動とホタルの里づくり」は、2005年度の(仮)霞湧水堀・第一期工事からさらに広がり、同湧水堀の第二期工事と近くの協栄用排水路の第一期工事、仙波河岸史跡公園湧水路の3か所で粗朶(そだ)工法による護岸工事が完成した。そして(仮)霞湧水堀の保全活動を川越市と自治会、中学校、ゴルフ場などと協働してホタルの里づくりに動き出すとともに、ホタルの勉強会を開催した。

7.企画委員会
2006年度に発足した企画委員会は、理事長、副理事長、理事、各部会の代表者と事務局により構成された。まず、委員会の性格をどのようなものにするかを討議した。その結果、
1.中長期的ビジョンを策定し、少し長いスパンで活動計画を立てる。長期計画から短期(年間)計画に落とし込む。
2.市民、民間団体、事業者、行政を横断的に結合する。
3.かわごえ環境ネットの会員の掘り起こしを行うため、いろいろな分野で活動している会員団体、個人に参加を呼びかけられるテーマを選定する。
などをコンセプトとした。その上で各委員が自由な発想のもとにテーマを提案した。
 主なテーマとして、
1.川環境の改善(川を生き返らせよう)
2.観光地川越の環境整備(新河岸川舟運再生、緑と花のロード)
3.「ポイ捨て防止条例」とまち美化
4.逆転の発想で30万人都市再生(人間と自然環境を優先する街づくり)
5.環境教育支援
6.雑木林を保全しよう
7.お茶のみサロン開設
などが挙げられた。