2010(平成22)年度事業報告

 2011年5月21日に行われた2011年度総会で承認された2010(平成22)年度事業報告です。表の部分は画像で、クリックすると拡大します。

1.主な事業
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2.総括及び全体事業
 本会設立10周年であった2010年度は、2008年度から続く「市民・事業者・民間団体・行政の協働で川越市の望ましい環境像の実現をめざす」のテーマを継続しながら、10周年のキャッチフレーズとして「10周年 豊かな環境を未来へ」を掲げ、これまで10年間の活動を振り返り、現状を後世に伝え、10年後の望ましい環境像を考える活動を展開しました。これらのテーマに沿って実施した全体事業を、8つの基本方針に沿って次に示します。

(1)【10周年記念事業の実施】2月19日に10周年記念事業の主要行事として「第9回かわごえ環境フォーラム」を開催し、その中のメインイベントとして「すみたい街 かわごえカフェ ~みんなで語ろう環境・福祉・観光など~」を実施しました。また、川越市の主要な自然環境をフルカラーの写真や地図でまとめた『川越の自然』を制作しました(2011年5月刊行及び記念講演会を実施)。また、これらの事業を実施するための関連企画、調査として、ワールド・カフェ・サロンと自然観察会・環境調査を実施しました。
(2)【市民・事業者等の環境活動を推進する事業の実施】各実行委員会が主催する「2010アースデイ・イン・川越 立門前」「第10回北公民館かんきょう祭り」に参画するとともに、本会としてブースを設けて出展し、市民・事業者へ環境活動の普及啓発を行いました。また、「第9回かわごえ環境フォーラム」において『かわごえ環境活動報告集』を発行して、市民・事業者等の環境活動に関する情報蓄積・情報共有を図りました。
(3)【積極的な行事の公開】協働事業を推進する組織として、本会が主催する見学会、観察会、まち美化活動、調査・保全活動等の行事を積極的に公開するとともに、月刊誌やホームページを活用した広報活動により、団体等が主催する行事についての周知・参加を支援しました。これらの活動によって本会会員は漸増しました。
(4)【環境に配慮した行動の普及啓発】市民向けのイベントや講演会において『環境に配慮した行動チェックシート』を実施して、環境に配慮した行動の普及啓発を図りました。また、『平成22年度版 かわごえの環境(第4号)』の「市民・事業者の環境への取組状況」への記事の掲載によって、「かわごえアジェンダ21」の進捗状況を報告しました。
(5)【会員への参加の機会の提供】10周年記念事業の関連企画として実施した「ワールド・カフェ・サロン」により、会員等が気軽に集い、語り合う場を提供しました。また、インターネットサービスとして「かわごえ環境ネット会員ブログ」を設置し、会員が伝えたい情報がリアルタイムに発信できる環境を整えました。
(6)【地球温暖化対策の推進】川越市における地球温暖化対策地域協議会として、エコドライブ講習会など『川越市地球温暖化対策地域推進計画』に係る活動を川越市とともに推進しました。
(7)【生物多様性及び景観の保全】平地林や河川、水路等の公園・緑地の保全活動を実施するとともに、埼玉県の実施する「県民参加生き物モニタリング調査」に協力し、これに関連する観察会等の公開行事を実施しました。また、川越市との協働による「川越まつりまち美化クリーン活動」をはじめとして、景観の向上に資するまち美化活動を実施しました。これらの活動により、生物多様性及び景観の保全を図るとともに、公共空間における市民・事業者のボランティア活動の機会を提供しました。
(8)【他団体への協力】荒川流域ネットワーク、新河岸川水系水環境連絡会などの民間団体と連携して、6月6日に「川の一斉水質調査」を実施するとともに、調査活動への協力を行いました。また、埼玉県の「新河岸川広域景観プロジェクト」に参画して、調査・イベント等を実施しました。さらに、広報活動として近隣市で活動する「NPO 法人 和光・緑と湧き水の会」と「NPO 法人エコシティ志木」の活動報告の掲載や、流域・近隣市の団体を記事で取り上げ、先進的な取組を会員等に紹介しました。
(9)【その他】『川越の自然』出版に関して、財団法人日野自動車グリーンファンドから助成金を受けるとともに、寄附金活動を実施し、多額の寄附を多数の方々からいただきました。また、本会の取組について「平成22年度さいたま環境賞」県民部門を受賞しました。

3.広報委員会
 2010年度の広報委員会は、本会10周年記念のかわごえ環境フォーラムの成功に向けて、幅広い活動を紹介しながら毎月の発行を行いました。また内外に認知度を高めるよう、ホームページのほかにブログも設定、IT時代に即応した工夫をしました。寄稿者も和光市や志木市の環境団体などにも広げ、会の活性化に役立つ編集に努めました。しかし、市内の各方面への情報交流の努力もまだ足りませんでした。次年度の課題となります。

4. 社会環境部会
 2010年度の社会環境部会は、原嶋新代表のもとに、主要3課題を前年度に続いて精力的に進めました。地球温暖化対策地域協議会として環境省に登録してある本会の具体的な活動として、低炭素社会実現のための「エコドライブ講習会」「エコライフDAY2010チェックシート」「低炭素まちづくりフォーラム」への参加とともに、「緑のカーテン」運動への取組も進めました。この活動と並行して「環境保全・資源化推進」「まち美化啓発活動」、さらに「2010アースデイ・イン・川越 立門前」、「第10回北公民館かんきょう祭り」の運営に協力して成果をあげました。
 また、本会10周年記念のかわごえ環境フォーラムでのメインイベントとして企画された「ワールド・カフェ」を成功させるために、6回にわたる試行作業に主要メンバーとして参加しました。検討課題の設定や参加対象の選定等を重ね、2月のフォーラムでは親しみやすい「かわごえ・カフェ」のネーミングでの成功に貢献しました。また、4月から12回にわたって川越市全域で「水と緑と伝統のまち川越12回探訪・ついでにクリーン」を実施し、また「新河岸川広域景観プロジェクト」の活動に参加、流域のサイクリングで景観発掘を行い、今後の環境保全と改善への取組の参考資料を得ることができました。

(1)地球温暖化対策関係
 地球温暖化対策として、自動車から排出されるCO₂削減への取組として「エコドライブ講習会」が各地で行われています。川越市でも2008年度から環境政策課の事業として講習会を開いてきましたが、2010年度から、本部会との協働事業として運営に参画しました。その後、会員の有志がエコドライブ普及員の資格も取りましたので、漸次本会の自主事業として市民啓発に貢献する方向が見えてきました。夏・冬の「エコライフDAY2010チェックシート」記入運動は、市内全公民館利用団体を対象に配布し、集計を担当しました。回答者は夏・冬あわせて1,287名となりました。また、11月20日に「第1回低炭素まちづくりフォーラム」に参加し、川越市の太陽光発電を中心とした施策と本会のパートナーとしての活動を紹介しました。さらに、3月の東日本大震災に伴う電力不足に対応した「緑のカーテン」の普及に向けて、市の方針の応援へ動きました。

(2)環境保全・資源化推進関係
 川の再生事業に積極的に取り組んでいる埼玉県の方針に沿って、新河岸川や小畔川で実施された「水辺再生100プラン」の地元との折衝段階から本会会員が参加し、その後の維持管理の方向付けに参画しました。また、県土整備事務所主催の川づくり懇談会に参加し、川の清掃などの市民参加の状況を報告しました。ごみの資源化啓発は、川越市の資源循環推進課との毎月の勉強会、久喜市や越谷市の施設見学、生ごみ堆肥化全国交流会参加等で、ごみ減量・生ごみの資源化の道筋を検討しました。当面は生ごみの「水切り促進」で会員がデータ集めのモデルとして参加しています。2010年4月から稼動した「資源化センター」の効率的運転に、家庭ごみの水分削減は緊急の課題であります。

(3)まち美化関係
 「品格あるまち」をめざし、「住みたいまち県№1」の川越市は、ポイ捨てごみのないきれいなまちを願って多数の団体が環境美化活動に参加しています。これらの団体との相互連携を図り、効果ある活動を目指す努力をしましたが成果は上がっていません。川越まつりでは、川越市の観光課を指令塔に、環境部、シルバー人材センター、本会と三者連携でごみ対策にあたりました。歳末まち美化活動では、世代を超えて多数の市民が参加し、大学生の環境調査も並行して行われ、市民啓発に貢献しました。

5.自然環境部会
 生物多様性条約第10回締約国会議が2010年10月に開催され、生物多様性保全への取組への重要性が増すことから、県民参加生き物モニタリング調査の参加も合わせて、川越市内に生息する野生の動植物の実態調査と保全活動を主体に取り組みました。
 その結果、気象条件でやむを得ず計画を延期して実施した事業や中止となった事業がありましたが、ほぼ実施することができました。
具体的には、
(1)(仮称)川越市森林公園計画地において、昆虫の観察会とキノコの観察会を開催しました。
(2)また、同公園計画地での植物調査と保全活動を11回実施しました。
(3)池辺公園において、植物調査を2回とキツネノカミソリにかかわる保全活動を4回実施しました。
(4)魚類調査は、初雁公園付近の新河岸川、鯨井の川越市資源化センター付近湧水堀、安比奈親水公園周辺の用水路、小堤・八幡神社の湧水堀の4か所で実施し、希少種や絶滅危惧種の魚類も確認できました。
(5)市外の自然観察会と湧水探訪会は、和光市の湧水とカタクリの花の観察会をバス利用で実施しました。
(6)古谷地区・江遠島緑地の麦生川にて川越市主催の水辺ふれあいイベントの援助活動を実施しました。
(7)埼玉県環境部自然環境課が主催する県民参加生き物モニタリング調査に、今年度も植物と魚類の分野で参加し、調査結果の報告書などの審査で合格しました。
詳細は、次の事業計画と実績表の通りです。
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6.かわごえアジェンダ21推進委員会
 2010アースデイ・イン・川越 立門前と第10回北公民館かんきょう祭りの会場において「かわごえアジェンダ21」の「環境に配慮した行動チェックシート20(市民編)」を来場者に対して実施しました。また、委員が講演する会場等において、受講者を対象に同チェックシートを実施しました。さらに、2009年度に実施した7つの講座またはイベントにおける367名分の同チェックシートについて集計、分析を行い、川越市が発行する「平成22年度版 かわごえの環境(第4号)」に『川越市環境行動計画「かわごえアジェンダ21の推進状況』として報告しました。なお、2010年度分の集計、分析作業については、次年度に実施します。