2007(平成19)年度事業報告

 2008年5月17日に行われた2008年度総会で承認された2007(平成19)年度事業報告です。

1.主な事業

(省略)

2.総括及び全体事業

 2004年度から掲げている『かわごえの環境の環(わ)を「太く」「大きく」「さらにつなげる」』というテーマを目標に掲げて、5つの具体的な活動方針をあげて事業を行いました。これらの活動方針に沿って、総括及び全体事業に関する報告を次に示します。

(1) 環境の環(わ)を太くするために、専門委員会が専門的知識を身につけるために必要な事業を、会員の企画により行いました。事業を通じて新たな会員が多く入会し、組織が活性化しました。
(2) 環境の環(わ)を大きくするために、企画委員会において、事業者との協力による新規事業を実施しました。また、川越市からの依頼を受けて、川越市環境行動計画「かわごえアジェンダ21」の作成を川越市との協働で実施するとともに、同計画の策定を記念した「かわごえアジェンダ21記念講演会」を2月に開催しました。
(3) 環境の環(わ)をさらにつなげるために、2月の「第6回 かわごえ環境フォーラム」において、会員内外からの環境活動報告集を発行するとともに、発表会を開催しました。また、小江戸打ち水風情、アースデイ・イン・川越2007、北公民館かんきょう祭りなど、さまざまな環境関連事業への参画・協力・後援等を行いました。さらに、つるがしま環境ネットワークとの清掃活動、荒川流域ネットワークまたは新河岸川水系水環境連絡会が主催する流域の河川水質調査を実施しました。広報活動としては、『月刊かわごえ環境ネット』において、「団体会員訪問」や会員の主催する行事等の記事を掲載することで、会員情報のネットワーク化に努めました。
(4) 川越市地球温暖化対策条例の制定に、理事および会員が環境審議会委員として参加して協力しました。また、埼玉県が推進する「エコライフDAY」の実施、環境家計簿の普及推進、埼玉県地球温暖化防止活動推進員の推薦及び活動、ストップ温暖化さいたまフェアへの出展などを通じて地球温暖化防止活動を行い、環境配慮行動の実践を会員内外に呼びかけました。
(5) 本会の活動を円滑に進めるために、組織の運営に関わる決定事項等を議事録よりまとめました。

3.広報委員会
 2006年11月から月刊化に踏み切った「広報誌」は、環境ネットの活動活性化に寄与しました。自然環境部会・社会環境部会等の各専門委員会の毎月の活動と例会の報告、「かわごえアジェンダ21」作成への取り組みの状況、行政の動き、本会会員の活動の様子などを掲載、本会会員への情報提供の役割を果たしました。さらに、市内全公民館、小中高校の環境担当教師、図書館、市民会館等への配布を通じて市民へのPRに努めました。
 内容的にはまだまだ不十分のところがありますが、部員の増強を図って広報の充実を進めていきます。

4.社会環境部会
 実践活動を主眼においた2007年度社会環境部会の方針に基づき、喫緊の課題である地球温暖化対策の省エネグループ、ごみ減量・生ごみ堆肥化推進グループ、ポイ捨て・歩きたばこの禁止の啓発を盛り込んだまち美化グループの3つに絞り、毎月の例会の充実を図りました。あわせて、つるがしま環境ネットワークとの共同で市境の不法投棄ごみ処理を行うとともに、「アースデイ・イン・川越2007」「北公民館かんきょう祭り」への協力や、「第6回かわごえ環境フォーラム」で7件の発表などを行い、イベントのスタッフ参加等、本会の活動に積極的に参加しました。
 また、第9回さいたま環境賞県民大賞を齋藤眞之助さんが受賞しました。(活動内容:環境家計簿の作成・普及、エコライフDAYチェックシートの配布・回収、環境講座の講師などを担当。)
(1) 地球温暖化対策 ①埼玉県のエコライフDAYチェックシートの啓発普及活動は、例年の夏の活動に加え、今年度は冬期活動に初めて市内全公民館にチェックシートを配り、一般市民への啓発を行い、約700人が参加しました。夏冬合わせて川越市の参加は1万3千人、CO2換算で7,892キログラムの節減を達成し、昨年を上回りました。また、3月16日に市立博物館視聴覚ホールで、「地球温暖化対策を考える~自然エネルギーとマイクロ水力発電」と題する研究会を開催し、多くの示唆を受けました。平坦な川越市でも、県営水道から高圧で送られてくる送水エネルギーを利用できるとの提案に、参加者も認識を新たにした有意義な研究会でした。
(2) ごみ減量・生ごみ堆肥化促進グループは、月1回の情報交換会を重ねるとともに、8月の第18回生ごみリサイクル全国大会に4人が参加しました。4分科会の内容も報告し、今後の活動の参考にしました。
(3) まち美化グループは、「川越市路上喫煙の防止に関する条例」の施行にともない、会員の活動の幅も広がり、夏祭りの2日間のごみ拾い、中央小学校の総合学習の授業を支援してポイ捨てごみ拾いの実際の経験を伝えました。7月にはやすらぎのさと周辺、伊佐沼周辺の郊外まち美化を実施しました。なお、12月23日の例年の歳末まち美化は朝までの雨のため中止されました。

5.自然環境部会
 前年度より引き続き、平地林の保全活動と、水辺自然環境の保全と再生活動を2本柱としてテーマを展開してきました。その結果、観察会や見学会はたくさんの方々の参加を得て、計画通り開催することができました。また、湧水路の多自然護岸活動も、川越市との協働で順調に進みました。しかし、雨水浸透対策の促進による湧水の復活活動とそのシンボル的な存在としてのムサシトミヨの復活活動は、行政側との協働がかみ合わず、計画通り進めることができませんでした。
 具体的な活動は、次の通りです。
(1) (仮称)川越市森林公園計画地での保全活動は、植物、昆虫、野鳥などの自然観察会を4回開催しました。また、同地での樹木調査を10回実施し、この結果を報告書としてまとめました。
(2) 仙波河岸史跡公園での自然観察会と保全活動は、植物、野鳥、昆虫などの自然観察会と外来植物の駆除、池の水質浄化と水質調査を4回実施しました。また、湿地帯に繁殖した特定外来種に指定されている水草のオオフサモを川越市と協働で駆除しました。
(3) 恒例になった植物園の見学会は、松戸市総合公園の野草園と自然生態園を訪れました。今回は、帰路に富士見市の諏訪氷川神社下の湧水の探訪会も同時に実施しました。
(4) 川越市と協働してきた(仮称)かすみ湧水堀の多自然護岸工事は、今年度で3年目の最終工事が完了しました。また、協栄用排水路の多自然護岸工事も予定通り進捗しており、来年度が最終工事になります。
 なお、最終工事が実施された(仮称)かすみ湧水堀では、ホタルの里づくりをめざした保全活動を進めるために、次のような活動を行いました。
1) 飯能市の天覧山麓の谷津へホタルの観察会。
2) 東吾野小学校のホタル飼育活動見学とホタルの生息する沢の探訪。
3) 霞ヶ関西中学校の総合学習支援活動として、ビオトープの講演と(仮称)かすみ湧水掘での現場学習。
4) 霞ヶ関西中学校の参加で、かすみ湧水堀とビオトープ池の生き物調査。
5) 川越市、グリーンタウン自治会、霞ヶ関西中学校、霞ヶ関カンツリークラブによる保全会議と草刈作業。
(5) アースデイ・イン・川越2007に参加して、(仮称)川越市森林公園計画地での観察会や動植物調査活動のパネルと樹木のミニチュア版を展示しました。また、(仮称)かすみ湧水堀の水辺の生きものたちを水槽展示しました。
(6) 雨水浸透対策による湧水の復活活動は、川越市における雨水浸透対策の実情を知る目的で、川越市に質問状を提出しました。しかし、質問内容が広範囲にわたったためか、回答書として手元に届くのが予想以上に遅くなり、年度内に予定していた勉強会や関係部署との協議を進めることができませんでした。
 また、この活動のシンボルでもあるムサシトミヨの復活活動は、埼玉県による適地の視察から始まり、菅間緑地を候補地の一つとして川越市も含めた三者協議を重ねてきました。しかし、菅間緑地にはムサシトミヨが過去に生息していた確証がないという埼玉県の判断により、他の候補地で再検討することになりました。

6.企画委員会
 企画委員会では2007年度「里山保全と吾野宿エコツアー」を企画し、12月2日開催しました。参加者は29名でした。事業者の持つ雑木林の下枝打ちと間伐を市民等が体験し、古い宿場町の面影が残る吾野宿を散策しました。
 企画委員会としては初年度でもあり、試行錯誤的でテーマとして掲げた市民、民間団体、事業者、行政が横断的に行動するイベントとして、この企画が合致するかどうか議論の残るところとなりました。

7.環境行動計画「かわごえアジェンダ21」作成委員会
 川越市環境行動計画「かわごえアジェンダ21」の作成を川越市との協働で実施するために、前年度から設置されていた(仮称)かわごえアジェンダ21検討委員会を改組して、6月に環境行動計画「かわごえアジェンダ21」作成委員会を設置し、会員から委員を募集して12名で活動しました。14回の会議を開催して、素案の作成、パブリックコメントや行政職員の意見を受けての最終案の検討、報告会の開催に関する検討等を行いました。