【コラム・新連載】かわごえ環境STYLE(1)全ては土から。野村ファーム

202008_KKS-1.jpg

川越市菅間にある野村ファームの畑

202008_KKS-2.jpg

野村ファームの野村さん

 今号から新コラムを担当させて頂きます、新理事の石川真です。タイトルを「かわごえ環境STYLE」と名付けました。川越の街の中で、大きな動きではないけれどちょっとした環境行動を紹介する内容とします。「活動」ではなく「行動」としたのは、各自による自発的な意識・行動に着目したいと考えていて、マクロ視点よりもミクロ視点で市民の着実な実践にフォーカスしたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
 第1回に取り上げる人物は、川越の農家、野村ファームの野村さんです。私は農業団体「川越Farmer's Market(ファーマーズマーケット)」の団体も務めており、川越市内の農家とのつながりが広くあります。野村さんは専業農家として、川越市新宿町や菅間の畑で多品種の野菜を作っています。今の時季なら、枝豆にじゃがいも、玉ねぎ、きゅうり、にんにくなどの野菜を収穫しています。野村さんは特に土作りに力を入れているのが特色です。川越Farmer's Marketのイベントには毎回出店していて、以前はアースデイ川越にも出店していたので知っている方がいるかもしれません。イベントを通してファンになる人が多く、今は野村ファームの野菜を目当てにする人がいるほど人気農家になっています。川越の飲食店でも野村さんの野菜を使っているお店がいくつもあります。
 では、野村さんは、どんな野菜作りで違いを出しているのでしょう。そこに、野村さんの環境STYLEがあります。何より土づくりに力を入れているという本人のお話しです。
 「栽培については、すべての野菜に農薬、化学肥料を使用していません。土づくりに重点をおいています。化成肥料は使わず良質な堆肥と米ぬかなどの有機物の組み合わせで土を発酵させます。うまく発酵すると土のよい匂いがして土が団粒構造になり、水はけの良い土となります。健全な土壌から健全な野菜が育つことがわかり、最高の土の状態をめざしています。」
 土がうまく発酵すると、フカフカした状態になります。触っているだけで気持ちよいです。野村さんの野菜作りがここに至るまでに、どんな経緯があったのでしょう?
 野村さんの自然農法は実に20年という歴があります。もともと家が農家で自身も農業大学校にも通いましたが、納得できる農業を実現するべく20歳のときからすでに独自の道を突き進んでいました。試行錯誤の末にたどり着いた土作り。今でも日々、土作りの研究は怠りません。
 「品種のこだわりは、自分が食べておいしいと思うものを作っています。例えばじゃがいもなら、"十勝こがね"じゃがいもで、おいしさと調理しやすい形、保存時芽が出るのが遅いので近年この品種を好んで作っています。」というように、一つ一つの野菜もこだわりを持って選び、作っています。
 これが野村ファームさんのかわごえ環境STYLE。また次の取り組みにもご注目ください。
(石川真)